世界の色(中編)

■事前のいい訳■
すみません。このページ、エロしかありません。



西陽がさらに傾いてきて一護の小さな顔をほとんど真横から捕らえた。
影がくっきり小さな顔の半分をぼやかせて表情がわかりにくい。
目で見えない部分を確認するように俺は一護の顔に指を這わせる。
一重なのにはっきりと弓なりの弧を描く瞼とその下にある色は淡いが意思の強い光を放つ瞳、
細い鼻細い顎そして薄い唇。
いつも少し開き気味のそこは緊張してるせいか間から強く合わさった歯が洩れ見えた。
唇をめくり開けて指を滑りこませる。
案の定不自然な位に歯に力が入っていた。
「怖いか?」「……」俺の指に邪魔されて答えはない。
代わりに強く合わされた歯が開き俺の指先を迎えいれ、そして緩い力で歯を押し当ててきた。
それは俺の理性ってやつをぶっとばすには十分すぎた。
指をさらに奥にねじこむ。
歯、舌。感触をまず指先でざっと味わってから指を抜き、
指でこじあけた所がまた閉じてしまわぬうちに今度は唇を押しあてた。
一度侵入者を許した腔は俺の舌も拒まない。
さすがに舌を返すまではやってこないが俺の舌が這いやすいようにあえて口を開けていてくれるのが顎の感じでわかる。
そこで後ろ手をついていた一護の腕がガクガク震えだした。
俺はそのまま一護の身体を抱えてゆっくり床に伸ばしてやった。
更に傾いた西陽も床に伸びていた。――俺はそこで濡れ縁の障子が開け放しになっていることに気がついた。
だが構うもんか。ここは道から少し高い土台に建っている。
開け放していた所で覗きみるのは鳥くらいのもんだ。
まぁ…声は…聞こえるかもな…ってまさかはじめてで大声でよがったりは…しない…だろう。

体よく「押し倒した」カタチになってここで唇を離し、一護の顔を真上から見下ろす風になった。
さっきのキス(というより舌攻撃?)でやや酸素不足に陥ったのかそれとも別の理由で息が上がったのか一護は肩で息をしていた。
開いた口から白い歯が濡れて光っている。
「一護…」
「…れん…じ」
「こっから先…わかってんな?」
「……」
「もしかしてひでーことするかも知らねーけど堪えてくれよ」
言い終わるが早く一護の返事も待たないで
はっきり言って今「いっぱいいっぱい」の俺は一護の死覇装に手をかけた。
ほとんど毟りとる勢いで白い肌をあらわにしていく。
「なっ…何?」
戸惑いを隠せない一護の視線は十分感じていたがあえて目はあわさないようにする。
丁寧に脱がせれば上着も剥げたが焦っていたからそのままはだけるのみにし、脱がせた袴を足で脇に蹴り飛ばす。
乱暴に剥かれて戦慄いている一護の両足を抱えて押し広げ、
ちょうどカエルをひっくり返したような姿勢にさせてその中心にあるものを口で包みこむ。
「ヒイッ」
およそらしからぬ声を発して一護は一気に身体を固くした。
同時に俺の口にあるものもびくりといきりたった。そこで俺はやっと一護と目を合わせた。
「な…に?」
一護の大きく開かれた目には驚愕と戸惑いと…そしてわずかだが興味が見えた。
恐怖は…なさそうだった。
「何…?」
「わかんねぇか?」
その間にも指を這わせて刺激を送り続ける。一護のものは更に固く。
「わからなくていいぜ。俺に任せな」
そしてまた咥え込む。
ここに来てやっと一護は自分が置かれている状況をはっきり認識したらしい。みるみる肌が羞恥に染めあげられていく。
脚を閉じようと力を入れているが頼りない。
「…やだっ…やめ…」
止めるかよ。
騙し打ちに近い感もなきにしもあらず…だが気高いお前が今あられもない姿で俺の前に全部晒してんだ。
今ここで止めるほうが冒涜ってもんだ。
「いっ…」
「イきな」
俺が押さえつけてるから大きな動きではなかったが
一護の腰が二、三不随意に動き俺の唾液以外のものが俺の口から溢れでて一護の明るい色の叢を濡らせていく。
俺はくわえたままその雫を絡めた指を一護の後ろの穴に滑りこませた。
誰にも触れさせたことがない(であろう)そこはがっちりと俺の指を阻んでいたが
一度滑り込ませると今度はねっとりと俺の指をくわえ込んで離さない。
――これは十分慣らせてやらないと、一護も苦しいだろうし俺もキツイ。

一護ははっきり言ってグシャグシャだった。
イッた瞬間から自分の顔を腕で被ってしまって
腕を通したままになっている死覇装の袖に隠れて今どんな顔しているのかは見えない。
ただ滑りこませた指を動かすたびにビクリと身体を硬くし震わせ、洩れる嗚咽を堪えているのが分かる。
「痛いか?」首をふる。
「続けて…いいか?」
暫くの間があって頷くのがわかった。
鳥の羽根のように大きく広げた内股へあやすように唇を這わせながら
滑り込ませた指に抵抗が少なくなってきた所で指の本数を増やしていき
たっぷり時間をかけて三本、なんとか入った。そろそろ俺も限界だ。

一護から指を抜いて自分の死覇装を脱いだ。
髪は少し考えて結わえていた紐を解いた。多分このほうがいいはずだ。
いつのまにか陽は沈み部屋の中に誰彼
(たわかれ)の色が染みだしていた。
灯り…と考えたがよした。灯りをつけたらきっとこいつは顔を見せてくれない。
「一護。それ、脱げよ」
「……」
「汚れちまうから」
言って胸が少し痛んだ。
汚すのは俺だ。
お前を。
綺麗な日溜まりの色をきたならしい血の色で汚していく。
違う。そんなつもりじゃない。ただ俺は――。

「恋次」
しわがれた声だったからはじめは一護の声だとは思えなかった。
「来いよ」
「!?」
「いくら俺がガキでも、こっからあとは予想つくぜ。止めんのかよ。こっからはお前の番だろ?」
「…いいんだな?」
「…覚悟だ」
触れた頬は乾いた涙でカサカサしていたが一護は確かに笑っていた。
死覇装から腕を抜かせ文字通り一糸纏わぬ姿になった一護を畳の上に横たえて唇を合わせる。
それから小さな頤、首筋と降りていき左の小さな突起を舌で転がす。
そこはみるみる固くとがり同時に一護の息遣いも再び高くなってきた。
俺の息だって上がってるはずだが自分のことまでは気がまわらない。
ばさばさと俺の髪が一護の体にばらけて鬱陶しい。
膝を立てさせてまた指を一本ずつ増やしながら慣れさせる。
さっきよりも抵抗が少ないのは慣れのせいか覚悟のせいか?
俺は一護の両脚を両肩に抱えあげてそうして自分の欲望を一護の中心にゆっくり突き立てた。

「――!」あまりの圧迫感に思わず息が漏れた。
とたんに一護も身体を固く弓なりに反らして悲鳴を食いしばる。
ガリガリと音がするのは畳に爪をたてているのか。
「声…だしていいぜ」
「だって…窓が」
障子のことは一護も気にしてたらしい。閉めときゃ良かったと悔やんだが今から閉めるのも妙な話だ。
俺は一護の身体を起こし自分の肩に顔を埋めさせた。
「歯、立てていいぜ」そして下から突きあげた。
突きあげるたびに一護の中心は固く抵抗し、肩先からは押し殺したうめき声と歯が当たる感触と。
「痛ぇか?」
「……」
「痛ぇんだな?」
「ったりめー…だ…ろ…お前のが…入ってんだから…」
「悪ィな。ひでぇことして。堪えてくれ」
そういう俺だって貧血が起きそうだ。一護のそこはみっちりと俺を締め上げる。
実際今抜けって言われても根元が締まってて痛くて無理だろう。
「一護、上ンなれ」
「…え…?」
「その方がお前が楽なんだよ…多分な」
俺は一護を抱えたまま仰向けになる。髪を解いておいて正解だった。結わえたままだと枕なしで寝るのは結構苦しいんだ。
一護を下から見上げるカタチになったが夜の帷の中じゃ顔なんかわからねぇ。
ただ荒い息の間に漏れ聞こえる声と触れ合っている部分の感触と霊圧だけが一護を知る術になった。
それでも愛しい。暗がりの中でも俺は日溜まり色をちゃんと感じていた。

俺はなるべく一護の動きに合わせる。
といってもその動きはぎこちなくただ徒に一護自身の苦痛を長引かせるだけになっている。
俺は一護の尻の双丘に手をまわしゆっくり揉みしだく。
それに合わせて一護の中心は拡がりすぼみを繰り返す。
同時に一護の内部も動き俺の先端を攻めあげる。
一護は苦痛ゆえとも快感ゆえともとれるあえぎを漏らして俺の腰の上で淫らに身体を震わせている
……はずだ。ちくしょーっっ暗くって見えやしねぇ。
しかし緩やかながらも俺は登りつめ一護の中に欲望の証をぶちまけた。

息が荒い。
身体にねじこまれた楔から解き放たれた一護は大きく息を吐きながら俺の上に倒れこんで来た。
柔らかな髪が俺の頬に触れる。
顔は見えないが触ると手に唇をこすりつけてきた。
乾いた唇を指でなぞる。
「悪かったな一護」
「ああ」
「嫌んなったか?」
「いや…ただびっくりして…」
「悪かったな」
さっきから俺はあやまってばかりだ。
「…疲れた」そう言ったきり一護は黙ってしまった。
大丈夫かと聞いたがその返事はいつまでたっても得られず代わりにすぅすぅと寝息だけが聞こえる。
眠る前に言いたかった事があったんだが仕方がない。
俺はそのまま暗い部屋の中で一護のひんやりとした尻を撫でていた。



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