最後のコマの「走っているグリ様」。
うごきのあるシーンは、あんがいみたまんまにかくと
けっこう変だったりします。
頭の中でごちゃごちゃイメージするよりも
実際描いてみてその絵がちゃんと「○○してるようにみえる」のであれば
少々デッサンが変でもOKだと思います。
どうせ「動作線」でごまかせるんだから(←ヲイ)。


アタリからかきはじめ。
グリ様の「走り」でなにがポイントかというと、無駄なくらいに腕を振っている部分だと思うので、
(バカっぽくみえる?)
頭の位置をきめたら次はソッコー腕(手から肘まで)の位置を決める。
その腕の位置、角度の「つじつま」をあわせるようにかきあげて
肩の位置が決まる。
下半身はこの場合、遠近がはいってるし、手前の腕とかで隠れるので
ほぼテキトーに近い。それでも腰の位置は腕の向こうにかくれてますが
しっかりとどしっときめておく。でないとちゃんと絵に重力が実感できない。
とうぜんですが、走ってるシーン。普通は左手が手前だと脚はこびはその逆。
グリ様にかぎってはその通りでないときもありますが。

あたりがついたら、もう細部を描き込みはじめます。
これはもう顔から描き始めていいと思います。
表情をきめておかないと全体がつかみにくいときも。
もし、このとき、グリ様が悲しそうな顔になってたら
この全身ポーズの雰囲気でませんよね。違う意味の漫画になるかも。
はははははははと笑ってる表情を描いて全身のイメージもここで固定させます。

指先から肘、それから上着の袖の折り曲げの部分をしっかりと。
この走ってる指先、グーなのかこうやってピンとのばしてるか
どっちでもいいかとおもいますが、久保さんの絵では伸ばしているので
そのまま伸ばす。
靴もちゃんと描いてみる。この時点ではまちがっててもいいので描いておく。
あとでみておかしかったらなおせばいいんだ。
ほぼワク線は無視。

かなりかきこんできた。福のシワのあたりとかもここらで描いておくか。
背景線にも遠近がつくので、角度をきめておく。テキトーでいい。


背景の雰囲気もどんどん描く。紙はすでにまっくろ。
下絵はここらで完成。

今は下絵までしか紹介しなくていいけど、いちおうペン入れ。
Gで主線だけいれていく。仮面の歯なんかこの大きさだとまんまかくとまっくろにつぶれるので
なんとなくディテールだけ。服のシワもおおきなシワだけ。
顔の影とかはここでは描かない。
丸ペンをだしてきて、ここでほぼ下絵と同じ感覚でこまかいとこを描いていく。
下絵のシャーペンよりもこまかく描きこめてたのしいので
この作業が好きという絵描きさんはかなり多い。
動作線もここで入れる。はげしく動いている感じのブレ線もここで。
ばかばかしさを出したいので、背景線はフリハン。
筆をだしてきて、描き文字とか。
「ヅゴオオオオオオ」とか「Bダッシュ」の文字は絵の上じゃなくて
テキトーな余白にかいておく。
パソコンの中できりとって別に描き文字レイヤーとして作るからアナログの時点では
どこにかいててもいいんだ。
スキャンする紙の枚数をヘらしたいのでなるべくワク線のまわりの余白にかいてしまう。

まぁ、こういう感じです。


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