鰤645話からのらくがき。
チョコラテ・イングレス!
文
章
■
絵
絵はあいてるとこに好きなもの描いてった感じなのでストーリー順ではありません。
文章内のセリフ抜粋の際にはキャラの敬称は略させてもらう場合があります。
前回、深淵を覗くものは深淵に覗かれているかのごとく(なんか違う気がするけどいいか)、
距離をとった安全圏で狙っている自分が逆に背後に回りこまれて狙われたことで
今回は「なにが起こった?」とプチパニックを起こしているリジェさんから始まります。
リジェさんのライフルにはスコープはないですが(史上最多の射殺記録を持つフィンランドの白い死神シモ・ヘイヘさんもスコープなしでしたな)
仮にスコープがあったとして、そこから覗いている遠く離れた"標的”が、いきなり自分の後ろに立ってたらそりゃ混乱もしますわな。
あの距離からここまで
僕に気付かせず
どうやって一瞬で回り込んだ―!?
その視線の先に不敵に立つ京楽さん。
リジェさん、表情が出にくいタイプだと思うのですが、なにかしら動揺や逡巡が京楽さんには伝わったようで
京「あれ?」
京「もしかしてやったことない?だるまさんがころんだ」
いや、だるまさんがころんだ、やったことあったとしてもね。
この状況をすっきり把握はできんでしょ。
実際のだるまさんがころんだには瞬間移動とかステルス機能とかないからね。
しかも
リジェ「何がころんだって?」
知らないもん。リジェさん"だるまさんがころんだ”知らないモン。
京「あ― やっぱりないかァ」
やっぱりということは「ない」っていう予想ついてるわけで
だったら「あれ?」「もしかしてやったことない?だるまさんがころんだ」とか驚いたんなや。いじめか。
リジェさん、なにげに多分ムカついてるよねこれ。
そんなリジェさんに追い討ちをかけるように、「それはさておき」と、いきなりリジェさんガン無視で付いてきた七緒ちゃんと会話しだす始末。
リジェさんマジメそうなので、こういうの苦手だと思うの。
それでもリジェさんそっちのけで
今のについてこれるとは腕をあげたねとか
褒められてる気がしない、いや褒めてるし
でも今回危ないからみんなのとこに戻ってなさい(つまりのこのこ付いてくんなオーラが出てて七緒ちゃんはそれ察知してたという感じですな)
などと会話がはずんでおります。
しかし、七緒ちゃん、京楽隊長が危ないから退けといってるのに、居座るつもりなのはなぜ?
これで人質にでもとられたら足ひっぱるよ。
いや、最初から人質にとられようと思って出てくる人はいないとは思うし、
七緒ちゃん自身も腕に覚えがあってみすみすつかまりはしない覚悟と自信があるのでしょうけど、
京楽さんだからなぁ。というか、京楽さんの戦い方がね。
応援を必要としない、むしろフィールドに敵と自分以外の障害物があるとやりづらいのではないかと思うのだけど
副隊長としてはどう考えてるんだろう。
ともあれ、手ぶらで帰れではなく言伝て(みんなに先に行っててって伝えてネ)を頼んで
ようやく七緒ちゃん退く(言伝伝えたらまた戻ってくる気まんまん)ようですが捨て言葉がまた厳しい。
「戻る時に死んでたら 死体の胸毛を剃りますから」
愛なのか?この言葉は。
逆に、逆に考えるんだ。この場合、胸毛を剃るでなくても、鼻の穴にメントスをコーラで流し込むとかでもいいはずなのだ。
なぜって、しなくてもいいことだから。
死んだら、剃るんです。死んだら鼻の穴メントスです。
でも、死ななければいいんです。
てか、死なないと思ってるからこれなんでしょうね。
しかも、胸毛剃るという脅し?に
京「身元不明になるからやめて」
って、京楽隊長のアイデンティティって・・・
そんなはずむ会話を「茶番」と斬って捨てるリジェさん。
まあ、目の前で自分置いてけぼりで会話されたらね。
さっきのナンチャラかころんだの件もほったらかしだしね。
リジェ「お前の斬魄刀の能力は『子供の遊びを現実にする』ことだ」「今のもその"遊び”か?」
もう単刀直入なのね。
それに比べてなんかのらりくらりしてるように見える京楽さん。
根っからの性分もありましょうが、なんかあえてリジェさんを苛つかせるように物言いしてるように感じるのん気にしすぎかな?
とはいえ、訊かれたことにはお答えするのが京楽さん。
京「さすが霊王宮まで立ち入る面子だ よく知っている」「たしかに破面の一番さんとはだるまさんがころんだで遊んでないね」
破面の一番さんというとスタークさんですね。うう。懐かしくて泣きそう。
スタークさんはもう出てこないのかしら・・・。スタークさん好きだから出てきてほしいなぁ。
おっと、話脱線しそう。ええと、だるまさんがころんだですね。
京「だるまさんがころんだは 鬼が目かくししてかけ声とともにふり返り 動いた人をつかまえる遊びだよ」
京「きまりは3つ」
京「一、鬼は参加者から必ず見える場所に居なくちゃならない
ニ、参加者は"鬼”に動いてるところを見られたら負け
三、参加者は"鬼”に見られる前に"鬼”に触れば勝ち」
リジェ「成程 チョコラテ・イングレスか」
なんやて?ちょこらて?
調べましたよ。
Wikipediaでね。だるまさんがころんだのページの抜粋ですわ。
スペインのだるまさんがころんだが、このチョコラテ・イングレス(chocolate ingles)だそうで。久保先生のこういうの(いい名前をつける、探してくる)ってすごいセンスありますよね。
最初イングレスっていうから位置ゲーのイングレスかと思ったですわ。たしかに位置ゲーといえば位置ゲーといっても広義ではそうかもしれないだるまさんがころんだ。
ちなみに位置ゲーのほうのイングレスは「進入する」という意味だった記憶。
でもってこのシーンの
漫画も描いたので
よかったら見てね。関西弁なの。
しかしかっこいいなチョコラテ・イングレス。だるまさんがころんだにはない冷酷非情さがあるような気がします。あえてチョコラテとか言ってる部分に。
とにかく、名前は違えどリジェさんはだるまさんがころんだを知っていて、
京楽さんは説明してソンしたと言ってますけど、まぁこれは読者に宛てての説明ということで。
でもって、ナントカがころんだがつまりチョコラテ・イングレスをわかるやいなや、
今週最初のくだりでイミフだった京楽さんの動きのからくりを見事いいあててしまいました。
リジェさんの見抜いたからくりをまとめるとこういう感じ、
元のルール
花天狂骨ルール
一、鬼は参加者から必ず見える場所に居なくちゃならない
→
壱、"鬼”の放った霊圧での攻撃が必ず見えるようになる
ニ、参加者は"鬼”に動いてるところを見られたら負け
→
弐、参の間、"鬼”は止まってる姿の幻覚を見る
三、参加者は"鬼”に見られる前に"鬼”に触れば勝ち」
→
参、"鬼”に見られる前に触れるように"鬼”の放った霊圧の軌道上を最短距離で移動することが出来る
かなりチート技ではありますが、リジェさんも陛下の親衛隊に抜擢されるだけの戦いのセンスがあるわけでして
リジェ「動いているところを見られたら"負け” ということは」「"幻覚”に気付いてお前を見つける事さえ出来れば」「お前は死ぬ」
と、頑張ったらなんでも出来るよ〜んみたいなことをサラっと言ってのけました。その頑張るってのが皆なかなか出来ないんですけどね。
しかし、こんな不吉なやればできる宣言を受けている間にも、ずっと京楽さんの口元が笑ってるのね。
京「流石だねぇ 理解が早くて助かるよ」
リジェ「『助かる』か? 僕にルールを教えたのはミスだったろう」「もうこの"遊び”は使えない」
そういわれてさらに不敵な笑み。
京「お互いがルールを知ってからが"遊び”だろ?」
うわ〜。リジェさんぜったいきてますわ。イラッときてますわ。
京「ああそれから 今の話には一つ間違いがある」
京「さっきキミの見た"止まったまま”のボクの姿は 幻覚じゃない」
京「現実にキミは ボクを見てる」
リジェ「何・・・?」
リジェさん、苛つきより驚き。イライラしながらも人の話をちゃんと聞くリジェさんの株が私の中で爆上げ中。
京「霊圧を感じ取る感覚のことを 『霊覚』とか『霊圧知覚』とか言うんだけど」 そうなのかφ(..)
京「霊圧を以て戦うものは全員 無意識に『視覚』とこの『霊覚』の両方を同時に使ってものを見てる」
京「そして戦闘に集中すればするほどその比重は『霊覚』のほうが圧倒的に高まっていく」
京「つまり 無意識に"目”ではものを見なくなる」 まあ、目は視界の届くとこしか見えないもんな。陛下の"眼”は知らんけど。
京「そこへ 霊圧そのものを『ボク』だと見誤るように ギュッと固めてあそこに置いてきたのさ」
人間にわかるようにいうと、気配を感じやすい人に対してその気配を送るようなもんでしょうかの。「居るような気がする」…の最強決定版「居るやん!」という解釈でよろしいか。
しかし、理屈じゃわかるけど、そんなことできるやつなんて普通いないよね。
リジェさんも言ってます。「馬鹿な それだけの事で見誤る訳が―」京「見誤るさ」
京楽隊長、人の話に自分の話かぶせたらいかんよ。いかんのですよ。普通は。
京「ボクを誰だと思ってんの」
京「護廷十三隊総隊長 京楽春水だよ」かっこいいぞドヤァ
見張るリジェさんの隻眼にはすこぶる脅威として京楽さんの姿が映っていることでしょう。
即座に臨戦態勢。
京楽さんがまず動いて仕掛けます。
リジェさんも迎え撃たんと弾倉をリロって構えます。そこに「だ るま さん が」の呪詛を吐く京楽さんの姿。
でも、これは鬼を欺くための囮だということをリジェさんは『教わり』ました。
目の前の"京楽さん”とは反対の位置、つまり自分の背後を振り返るとビンゴ。京楽さんが居ます。
リジェ「言ったよね もうこの"遊び”は使えない」
リジェさんのライフルが火を吹き至近距離で見事京楽さんの胸毛が自慢の胸を貫いて・・・なかった。
リジェさんの足元の影から伸びてくる花天狂骨の刀身。
あと少し反応が遅ければリジェさんのおケツは四つに割れてたかもしれません。見たかった。あやうく躱したその体勢から、
京楽さんの姿ではなく足元の影を狙って撃ちます。これが正解だったみたい。
京「読むねぇ!"影鬼”を一発目で躱されたのは始めてだよ!」
とはいえ、掠ってすらない(ように見える)。その上うっかり上手く遊んでしまったせいで京楽さんを悦ばせてしまいました。マジ京楽さん嬉しそう。
リジェ「それも言った!こちらにはお前達のコレまでの戦い全ての情報がある!」
リジェ「そして」
京楽さん、ガクンと衝撃を受けます。見れば左足の甲を打ち抜かれていました。痛そうとかいうレベルじゃないぞ。
リジェ「お前達にこちらの情報は無い」
ふいをつかれ体勢を乱して跳びあがったリジェさんですが、着地はクールなものです。脚なっが!
反対に若干つらそうな京楽さん。だって足に穴あいてんだもん・・そりゃ痛いわ。
京楽「躱したと思ったんだけどね 教えてくれないのは不公平じゃないのかい」
それでもリジェさんを苛立たせるような物言いをあえてしてる気がします。
リジェ「公平な戦いをしたいとも思わないし 教えたところで公平になるとは思わないが 教えよう」
よくネットなんかで「わざわざドヤって手の内教えるな」とかいう感想を見ますが、
私は鰤のこういう様式美は大好きです。やっぱかっこいいもんね。
リジェ「星十字騎士団"X” "万物貫通(ジ・イクサクシス)”のリジェ・パロ」「僕の能力は全てを貫く」
リジェ「そこに"躱す”という概念の介在する余地はない」
当てるまで追尾するパトリオットみたいなんじゃなくて、何が何でも直線攻撃でなおかつ命中・・・いえ貫通させるというイメージですね。
そのためには時間すら止めてしまいそうな(それはないと思いますが)。
自己紹介が終わるや否や、京楽さんの胸をヒット。執拗なまでに胸を狙うのは先ほどの胸毛会話と関係があるのか。
胸を貫通されて死んだら胸毛剃れないじゃないですか。
とかいう心配はご無用。
後ろです。撃って命中・・・じゃない貫通したはずですが、そんな"映像”を見ただけで実際は後ろに回られました、ここまでくるとさすがにリジェさん動揺している模様。
京楽「どうやって躱した?ってカオだけど 心配いらない キミの言う通り躱しちゃいない」「キミが残像を撃っただけの話さ」
京楽「"影送り”って言うんだ」「影を強く見つめて別の場所へ残像を移す遊びだよ」
ちいちゃんのかげおくりにやり方かいてましたね。
いわゆる網膜像の知覚というやつですな。エンメルトの法則というらしいです。
京「キミほどの"霊覚”で見つめれば そりゃ残像も強く残る」
解像度も彩度もめっちゃ高そうです。
京「子供の遊びの怖いところは いつ・何の遊びが始まるのか見当もつかない所さ」
京「どんなに興が乗らなくても 手を引かれたら一巻の終わり」「死ぬまで付き合わされるのさ」
つまり花天狂骨のエグいところは、その遊びのルールをなぞった能力の狡猾さではなく、発動のタイミングということでしょう。
京楽さんもずっと笑ってるしな。目は・・笑ってないんですけど。
京「キミももう手を引かれてる」「死ぬまで遊び明かそうじゃないの」
死ぬまで・・・
すっかり相手のペース。その上、撃っても撃っても残像、影、霊圧の固まり。
リジェさん、最高にイラついてる目つきで待て次週というか週末。次号は土曜日発売だ!
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